不動産売却前におすすめのインスペクションとは?
コラム | 不動産知識
2023/11/30
インスペクションを知っていますか?
インスペクションについてあまり知らない方が多いと思います。
不動産のインスペクションって流行っているけど、実際どうなの?やった方がいいのと疑問を持たれている方もいらっしゃると思います。
そんな方向けにインスペクションについて紹介したいと思いますので読んでみて下さい。
インスペクションについてすでに知っているという方も改めて確認するつもりで読んでみる事をおすすめします。
まずは、インスペクションとは何かからみていきましょう。
この記事は、東京で不動産売買、建築に関わるお仕事を20年以上経験している不動産営業マンによって監修されていますので安心してお読みいただけます。
| この記事の監修者 |
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田中利貴文 |
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宅地建物取引士、一級建物アドバイザー、住宅ローンアドバイザー。 大工として7年間現場を経験し、その後現場監督として5年間建築に関わる。その後、不動産会社に入社。入社より2年で、トップセールスを達成。 2012年8月に独立し不動産売買仲介を主にした株式会社レンズを創業。創業から11年目にして売り上げは、毎年右肩上がり。独自の住宅ブランド「インフィーア」は、独自性があり性能が高いと好評。 趣味は、ツーリングで自然を見に行くのと、筋トレ、読書。 |
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不動産売却前におすすめのインスペクションとは?

建物の検査は、国土交通省が指定する講習を修了した建築士が、中立のポジションから行うもので、「インスペクション」と呼ばれます。
これは建物状況の調査や住宅診断とも呼ばれています。
検査では、建物の基礎や外壁などの主要な構造部分や雨水の侵入を防ぐ要素に生じたひび割れや雨漏りなどの劣化や不具合を目視や動作確認、聞き取りなどを通じて確認します。
インスペクションの重要性

不動産を売却する際には、インスペクションは必須ではありませんが、トラブルを防ぐ観点からはおすすめです。
売主は売却後の不動産に契約不適合責任を負います。
この責任は、契約内容と異なる状態で引き渡しを行った場合に発生し、売主が負担します。
売主の故意、過失に関係なく、売却後に欠陥が見つかれば、売主は買主からの追加補修や代金減額や損害賠償請求に応じなければなりません。
不動産の売却前にインスペクションを受けておけば、欠陥の発見により売却後のトラブルを回避できる可能性が高まります。
インスペクションのメリット

不動産売却において、インスペクションの実施にはいくつかのメリットがあります。
インスペクションを行うことで、売却を有利に進めることができます。
中古物件の購入において、欠陥のリスクが高いとされる中、インスペクションを実施することで購入後のリスクを抑え、安心感を得られるためです。
さらに、インスペクションを通じて建物の欠陥に気付くことができ、必要な修繕を行うことで売却後のトラブルを回避できます。
契約前に欠陥の詳細を共有することで、信頼関係を構築しやすくなります。
瑕疵担保保険に加入できる点も重要です。
この保険は欠陥が見つかった場合に補償を受けられ、修繕費用に保険金を充てることができるため、売主が安心して取引できる仕組みです。
この保険にはインスペクションの実施が要件とされており、実施することでリスクを軽減できます。
インスペクションのデメリット

不動産売却でインスペクションを実施する際のデメリットはいくつかあります。
調査には費用と時間がかかります。
そのため、時間がかかりすぎて売却のタイミングを逃す可能性があり、費用を売出価格に上乗せしても、高い価格が買主に受け入れられない可能性があるため、注意が必要です。
インスペクションの結果によっては値下げ交渉を受ける可能性があります。
欠陥が発覚した場合、修繕にかかる費用が発生し、修繕を行わない場合は告知が必要であり、これが買主による値下げの要因となる可能性があります。
欠陥の修繕が必要になる可能性も考えられます。
修繕が必要な場合、それにかかる費用や手間が発生する事があります。
調査する場所

各住宅の調査対象場所は以下があります。それ以外にもオプション項目などもつけることができます。
◼︎戸建て住宅
・構造耐力上主要な部分
基礎、土台、床版、柱、横架材、壁、斜材、屋根版、小屋組
・雨水の浸入を防止する部分
基礎杭、基礎、床版、壁、外壁、屋根版外壁、開口部、屋根
◼︎マンション
・構造耐力上主要な部分
基礎杭、基礎、床版、壁、外壁、屋根版
・雨水の浸入を防止する部分
外壁、開口部、屋根、排水管
これらの範囲の調査により、雨漏り、シロアリによる床下の腐食、家の傾きなどの有無を調査し、通常の住宅品質を確認します。
住宅設備(例: インターフォン、浴室乾燥機、ディスポーザーなど)に関しては、インスペクションの対象外となります。
対象外の場所は、売主が作動確認を行い、発見した不具合は「付帯設備表」と呼ばれる調査シートに記載します。
具体的な調査方法

インスペクションの調査方法は主に目視が中心となりますが、他にも一般的に普及している計測機器や触診・打診、作動確認などが使用されます。
具体的には、レーザー距離計やデジタル水平器などの計測機器を使用して寸法を確認し、建物の水平や垂直を計測します。
戸建ての場合、床下に潜り込んでの調査が行われ、所有者でも気づかないシロアリによる腐食の有無なども確認されます。
完全に欠陥がないと断定することはできません。
インスペクションはあくまで視覚的な検査であり、建物の内部の全てを見透かすものではないことを理解しておくことが重要です。
売主がインスペクションを行う場合の流れ

売主がインスペクションを行う場合の流れは以下の通りです。
◼︎不動産会社に査定を依頼する
複数の不動産会社に査定を依頼し、売却価格を把握します。
◼︎不動産会社と媒介契約を締結する
査定結果や売却実績、担当者の相性などを考慮して、仲介を依頼する不動産会社と契約を結びます。
◼︎インスペクターを選定する
不動産会社の紹介や自らの調査に基づいて、信頼性のあるインスペクターを選定します。
◼︎インスペクションを実施する
選定したインスペクターが建物の検査を行います。
◼︎売却活動に取り掛かる
インスペクションの結果を踏まえ、売却活動を開始します。
◼︎契約条件を交渉する
買主が見つかった場合、価格や修繕に関する契約条件を交渉します。
◼︎売買契約を締結する
交渉が合意に達したら、売買契約を締結します。
◼︎物件の引き渡しを行う
売買契約書に基づいて、引き渡し日に物件を買主に引き渡します。
買主がインスペクションを行う場合の流れ

買主がインスペクションを行う場合の流れは以下の通りです。
◼︎物件を探す
インターネットや不動産会社を利用して、購入したい物件を探します。
◼︎不動産会社と媒介契約を締結する
気に入った物件が見つかれば、不動産会社と契約を結びます。
◼︎買付証明書を提示する
物件に興味を示したら、売主に対して購入意思を示すために買付証明書を提出します。
◼︎売主からインスペクションの実施の承諾を得る
買付証明書の段階で、インスペクションを希望し、売主から承諾を得ます。
◼︎インスペクションを実施する
承諾を得たら、インスペクションが行われます。
◼︎売買契約を締結する
問題がなければ、売主と売買契約を締結します。
◼︎物件の引き渡しを行う
契約に基づき、引き渡し日に物件を取得します。
インスペクションに必要な期間
不動産のインスペクションは、依頼から報告書受け取りまで通常2週間かかります。具体的には、依頼してからの実施までが1週間、実施後報告書を受け取るまでがもう1週間が一般的です。
調査当日の所要時間は物件の規模により異なりますが、一般的には3時間ほどで完了します。
期間の把握は売却を円滑に進めるために重要です。
インスペクションの費用
不動産のインスペクションには費用がかかり、売主が実施する場合、売出価格に上乗せして回収することを検討することがありますが、回収が確実でないため注意が必要です。
自己負担の可能性もあるため、費用相場を把握しておくことが重要です。
一般的な費用相場は以下の通りです。
マンション:約5万円程度
戸建住宅:約4万5,000円~6万5,000円程度
マンションの場合は一律に設定されることが多く、戸建住宅は建物の規模により異なる傾向があります。
費用は調査を実施する会社によっても異なるので、複数の会社の料金を比較して検討することが重要です。
不動産のインスペクションを依頼する先
不動産のインスペクションを依頼する際に相談先が分からない場合、国土交通省の既存住宅状況調査技術者検索ページを利用すると便利です。
このページから、信頼性の高い技術者を検索できます。
国土交通省の検索ページは、既存住宅状況調査技術者講習制度に基づいています。不動産会社と媒介契約を結んでいる場合、不動産会社に相談すれば、信頼できるインスペクターを紹介してもらうことも可能です。
そのため、自ら探す手間を省き、信頼性の高い専門家に依頼することができます。
不動産のインスペクションの注意点

◼︎売却計画をしっかり立てる
インスペクションには約2週間の期間がかかるため、売却計画をしっかりと策定し、売却活動に支障が生じないように注意が必要です。
◼︎不動産会社に相談する
インスペクションの調査会社を選ぶ際には、信頼性のある会社を見つけるために不動産会社に相談すると良いです。
悪質な会社に注意しながら適切な選定を行います。
◼︎売却トラブルを完全に回避できない
インスペクションを受けたからといって、必ずしも売却トラブルを完全に回避できるわけではありません。
調査で見逃された欠陥がある可能性もあり、売却後に問題が発生するかもしれません。
インスペクションの豆知識

◼︎インスペクションの実施日には立会いが必要?
インスペクションの実施日には、必ずしも立会いが必要とは言えません。
しかし、建物の状況をより理解しやすくするためには、調査に立ち会うことがおすすめです。
立会いのメリットは、調査者から直接説明を受けられ、疑問点を質問できることです。
しかし、都合やスケジュールが合わない場合には、後日報告書で結果を確認することも一般的です。
◼︎インスペクションを実施するには資格が必要?
インスペクションを実施するには、国土交通省が定めた講習を修了した建築士の資格が必要です。
この資格を持つ建築士は、建物の専門知識を有し、構造や設備などを正確に評価できる能力があります。
資格の有無は信頼性を確認する上で重要なポイントですので、依頼する際には確認しておくことが重要です。
まとめ

今回は、インスペクションについて詳しく紹介しました。
インスペクションについて知りたかった方は参考になる内容が多かったのではないでしょうか。
紹介した内容を参考にしてインスペクションに関する知識を深めて下さい。
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