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事故物件は売却可能?瑕疵の種類も紹介

コラム | 不動産知識

2023/12/5

事故物件の売却が可能か知っていますか?

 

事故物件というとドラマなどでも取り上げられていて話題になりましたよね。まさか自分の持っていた物件が事故物件になってしまって売却したいんだけどどうしようと不安に思っている方もいらっしゃると思います。

 

そんな方向けに事故物件の売却が可能か、また事故物件を売却したいときの工夫や他の活用方法についてもご紹介したいと思いますので読んでみて下さい。

 

 

この記事は、東京で不動産売買、建築に関わるお仕事を20年以上経験している不動産営業マンによって監修されていますので安心してお読みいただけます。

 
  この記事の監修者

 

田中利貴文

 

 

宅地建物取引士、一級建物アドバイザー、住宅ローンアドバイザー。

大工として7年間現場を経験し、その後現場監督として5年間建築に関わる。その後、不動産会社に入社。入社より2年で、トップセールスを達成。

2012年8月に独立し不動産売買仲介を主にした株式会社レンズを創業。創業から11年目にして売り上げは、毎年右肩上がり。独自の住宅ブランド「インフィーア」は、独自性があり性能が高いと好評。

趣味は、ツーリングで自然を見に行くのと、筋トレ、読書。

   

 

 

 

 

 

事故物件とは?

 

 

不動産の取引では「契約不適合責任」が問題視されることがあります。

 

2020年4月の民法改正以降、「瑕疵担保責任」と呼ばれています。

 

本質的には同じく「契約対象物の欠陥」の事です。

 

欠陥は、心理的、環境的、物理的、法的な面が考えられますが、そのうち物件に心理的な問題が存在する場合、「事故物件」と言われます。

 

 

瑕疵の種類

 

 

心理的瑕疵

 

心理的瑕疵とは、不動産取引の対象物件に存在する欠陥の一種であり「好ましくない」「不快だ」と感じる事です。

 

例えば、購入を考えている物件で過去に室内で自殺や火災による死亡事故が発生していた場合などがこれに該当します。

 

事故物件と呼ばれるほとんどは、その物件で自然死以外の特殊な事情により亡くなった事です。

 

自然死であっても発見までに時間がかかった場合など、状況によっては事故物件とみなされることがあるため、賃貸物件でも売却物件でも同様に注意が必要です。

 

不動産に関連する過去の不快な出来事を告知せずに取引を行うと、契約違反に該当する可能性があります。

 

 

環境的瑕疵

 

生活環境において、快適な生活を妨げる要因の「環境的瑕疵」が存在します。

 

たとえば、周辺に暴力団事務所がある、カルト宗教団体の拠点が近い、または火葬場や葬儀場が視界に入るなどがこれに該当します。

 

これらの瑕疵があると、物件そのものには問題がなくても、良い印象を与える事ができません。

 

環境的瑕疵について説明しなかったことが契約違反とされる裁判事例も存在します。

 

 

物理的瑕疵

 

物理的瑕疵とは、雨漏りやシロアリ被害など、売買物件自体の構造的、性能的な欠陥です。

 

これらの問題は引き渡し前に発見されることもありますが、引き渡し後にも判明する場合があります。

 

契約不適合に関する判断は難しくありませんが、売主の契約不適合責任については、当事者の合意により民法上の「不適合の事実通知」期間を短縮できる特約も可能です。

 

宅地建物取引業者の場合は、最低2年間の契約不適合責任を負担することが宅地建物取引業法で規定されています。

 

 

法律的瑕疵

 

法律的瑕疵は、取引時に法律に適合していない箇所があるか、買主が目指す行為に対する法的制限について、事実と異なる説明や意図的に説明しなかったりする事です。

 

再建築が不可能な物件や建築違反の取引などの代表的などでは、買主に十分な説明が求められます。

 

違反建築も法律的瑕疵に該当し、建築基準法、都市計画法、消防法、宅地造成等規制法などが関係します。

 

これらの法律に違反している状態であっても、取引時点では合法であった建築物も存在します。

 

これは「既存不適格建築物」と呼ばれ、現状のままで使用する際には法的な問題が発生しないことがあります。

 

 

事故物件は売却可能?

 

 

事故物件であっても売却可能です。

 

不動産取引において、売主は知っている事実や宅地建物取引士が調査した結果について、特に重要な事項に関する説明を義務付けられています。

 

心理的瑕疵のある物件についても告知義務があり、これを知りながら告知しない場合は、告知義務違反とみなされることがあります。

 

「20年前や30年前にあった事故についても告知しなければならないのだろうか」という疑問が生じます。

 

国土交通省は2021年に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を決め、不動産会社に周知させる努力をしています。

事故物件であることを売主が告知しないまま売却した場合、買主や仲介した不動産会社から損害賠償請求を受ける可能性があります。

 

例えば約7年前に強盗殺人事件があった建物付き土地を購入した買主が、引き渡し後に過去の事件を知り、売主に損害賠償請求を行い、裁判において賠償が認められた事があります。

 

この事例では、買主が契約時に事件や事故について売主に質問したにもかかわらず、売主が「なかった」と虚偽の回答を行ったことが不法行為と判断されました。このような行為は「告知義務違反」と認定され、賠償の根拠とされました。

 

 

事故物件の売却相場

 

 

事故の内容は、物件の評価において重要な要素です。

 

たとえば、前の居住者が死亡していた場合と救急車で病院に搬送された後に死亡した場合では、買主に与えるイメージが異なります。

 

さらに、病院で死亡したケースまでを事故物件として扱うかどうかは難しい問題です。

 

自殺と殺人事件でも印象が異なりますが、買主の心理的な影響は個人差があり、一概に言えません。

 

病死や自然死の場合でも、事故物件として告知されることがあります。

 

物件の売買価格については、通常の物件よりも事故物件の方が価格が下がる傾向がありますが、具体的な割合は一概に言えません。

 

事故物件の場合、買主が提示する価格と売主が納得する価格との合意が実際の取引において重要です。

 

 

 

売却時の売り出し価格を決めるコツ

 

 

売却時の売り出し価格を設定する際は、「告知事項あり」などと表示して事故物件であることを記載し、買主もそれを認識した上で価格を判断します。

 

「どこまで価格が下がるのか?」という視点で検討し、商談が成立する可能性のある売り出し価格を提示する必要があります。

 

売り出し価格の設定には「不動産査定」が利用されます。

 

複数の不動産会社に査定を依頼し、その査定額を参考にして最終的な価格を決定します。

 

査定依頼時には、事故物件である旨と事故の内容を明確に不動産会社に伝えることが重要です。

 

最近では、「一括査定サイト」を利用して複数の会社に査定を依頼することが一般的です。

 

手軽で簡単に査定が受けられるため、この方法を検討してみると良いでしょう。

 

 

事故物件を早く高く売るために工夫

 

 

︎清掃したりリフォームしたりする

 

事故物件には通常の生活では見られないような汚れが床や壁に付着していることがあり、臭いが残る事もあります。

 

このような場合、清掃専門業者に依頼することが望ましいでしょう。

 

また可能であれば内装を一新するためにリフォームを行うことも検討できます。

 

さらに霊的な現象が気になる場合はお祓いをすることもおすすめです。

 

事故が発生すると、救急車や警察車両が駆けつけ、近所に知れ渡ることがほとんどです。

 

迅速にリフォームなどを行うことで、悪い印象をあまり与えないようにできる可能性があります。

 

特殊清掃の料金相場は以下の通りです。

1R・1K:7~30万円(清掃時間目安:1~3時間、消臭時間目安:4~6時間)

1LDK~3LDK:13~50万円(清掃時間目安:4~8時間、消臭時間目安:12~48時間)

4LDK以上:20~60万円(清掃時間目安:6~12時間、消臭時間目安:24~72時間)

 

床清掃:3万円~

消臭剤・除菌剤散布:1万円~

畳の撤去:3,000円~/1枚

オゾン脱臭:3万円~

害虫駆除:1万円~

 

特殊清掃は一般的に間取りと汚れの程度によって費用が異なります。

 

特に遺体の発見が遅れると、清掃にかかる時間が増え、費用が高額になります。

 

強力な処置が必要な場合や遺品整理も含む場合は、追加で費用がかかり、総額が高額になることがあります。

 

清掃の範囲や内容によっても費用が異なり、遺体のあった部屋の清掃だけを依頼する場合や室内全体を清掃する場合で費用の差があります。

 

作業時間も汚れや臭いの状況により大きく変動するため、注意が必要です。

 

特殊清掃の料金は業者や状況によって大きく異なるため、見積もりを取得してから依頼することが重要です。

 

 

更地にする

 

建物を解体し更地にすることは、印象を変える効果があります。

 

事故が発生した事実は変わりませんが、買い手の印象は向上する可能性があります。

 

更地にしたからと言って告知義務がなくなるわけではないので、注意が必要です。

 

更地にしても「更地渡し」の条件で売り出すことは、売買価格の面であまり効果がないかもしれません。

 

更地渡しでは解体費用を売買代金から差し引けますが、買主にとっては「現状渡し」に近い印象があり、値下げの交渉材料となることがあります。

 

 

コインパーキングや駐車場にする

 

建物を解体して跡地をコインパーキングや駐車場として活用することができれば、売却する必要はないかもしれません。

 

将来的に売却する際も、時間が経てば事故の印象は薄れる傾向があります。

 

ただし、売却を検討する場合には、過去の事故に関する告知が望ましいと言えます。

 

駐車場としての利用が難しい場合は、居住用以外の賃貸活用を検討するのも一つの選択肢です。

 

資材置き場、市民農園、貸倉庫など、エリアの需要状況に合わせて有効な活用方法を模索してみるのも良いでしょう。

 

 

不動産会社に買い取ってもらう

 

不動産会社に買取してもらうのも有効な方法です。

 

通常の物件と比較して、事故物件は売買価格が下がることが一般的です。

 

買取の場合も事故による評価損が影響し、相場価格よりは安くなる可能性があります。

 

不動産会社は事故物件であることを考慮した価格で買い取るため、買取により事故物件での精神的、金銭的負担が軽減されることが期待できます。

 

売却が難しい場合や時間がかかる場合、不動産会社に相談してみるのも一つの選択肢です。

 

 

まとめ

 

 

今回は、事故物件の売却が可能かについて詳しく紹介しました。

 

事故物件の売却が可能かについて知りたかった方は参考になる内容が多かったのではないでしょうか。

 

紹介した内容を参考にして事故物件の売却が可能かに関する知識を深めて下さい。

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