不動産売買の仲介手数料の費用相場とは?
コラム | 不動産知識
2024/02/06
不動産売買の仲介手数料の相場などを知っていますか?
不動産の売買の際に、大きなウエイトを占めてくるのが不動産業者に支払う仲介手数料です。
これって交渉できるの?相場はどのくらいなのと業界ルールに疑問を持たれているかもいらっしゃると思います。
そんな方向けに不動産売買の仲介手数料の相場について紹介したいと思いますので読んでみて下さい。
不動産売買の仲介手数料の相場についてすでに知っているという方も改めて確認するつもりで読んでみる事をおすすめします。
合わせて仲介手数料が必要な理由と必要ではない理由や不動産売買の仲介手数料を安くするコツ、仲介手数料を払うタイミングなども紹介します。
この記事は、東京で不動産売買、建築に関わるお仕事を20年以上経験している不動産営業マンによって監修されていますので安心してお読みいただけます。
この記事の監修者 |
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田中利貴文 |
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宅地建物取引士、一級建物アドバイザー、住宅ローンアドバイザー。 大工として7年間現場を経験し、その後現場監督として5年間建築に関わる。その後、不動産会社に入社。入社より2年で、トップセールスを達成。 2012年8月に独立し不動産売買仲介を主にした株式会社レンズを創業。創業から11年目にして売り上げは、毎年右肩上がり。独自の住宅ブランド「インフィーア」は、独自性があり性能が高いと好評。 趣味は、ツーリングで自然を見に行くのと、筋トレ、読書。 |
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不動産売買の仲介手数料とは?
不動産業者は、不動産の売買などで、売主と買主との間で契約業務を担当します。その報酬として支払われるのが、仲介手数料です。
不動産の売買を検討している方々の中には、仲介手数料は具体的にどれくらいかかるのか?、不動産業者ごとに金額に差があるのか?、どのタイミングで用意すればいいのか?といった疑問や不安があるかもしれません。
仲介手数料は、売買契約が成立した時点で初めて生じるもので、契約が成立しなければ支払う必要はありません。
法律で仲介手数料の上限が定められており、規定額以上の支払いは発生しません。
仲介手数料を払うタイミング
支払うタイミングは契約が成立してから
先ほどもお話しした通り、仲介手数料は、本質的に成功報酬のようなものであり、契約が成立するまでは基本的に支払いは発生しません。
標準媒介契約約款で国土交通大臣が規定する第9条では、「報酬の受領の時期」が取り決められており、契約書の交付後でなければ仲介手数料を受け取ることができないという記載がされています。
売買契約の際には、契約成立時に仲介手数料の半額を支払い、不動産の引き渡し時に残額を支払うのが一般的です。
しかし買主都合で現金が用意できない場合など、引き渡し時に全額支払うケースも存在します。
契約締結前に仲介手数料の請求がある場合は法的に違法ですので、別の不動産会社との契約を検討するようにしましょう。
仲介手数料が返金できる条件
・契約不適合責任
2020年4月に行われた民法の改正により、瑕疵担保責任は、契約不適合責任に変更されました。
新しい制度では、瑕疵(隠れた不具合)の概念は使われず、対象となる物件が契約内容を満たしているかが重要となります。
契約不適合責任では、契約の完全履行請求、それが不可能な場合の減額請求、契約が履行できないことに対する損害賠償の請求、完全な契約履行が不可能な場合の契約解除が規定されています。
契約不適合責任の判断が難しいため、仲介手数料の返金についても通常、第三者を交えて不動産会社との交渉が行われることが一般的です。
・自然災害が発生
不動産の引き渡し前に火災、台風、地震、洪水などの自然災害が原因で建物が使用不能、それに近い状態に陥った場合、契約は自動的に白紙解除となります。
・ローン特約解除
通常、不動産売買契約を締結していても、住宅ローンの審査に通過しないと融資が受けられず、購入代金を支払えないため、手付金を放棄して契約を解除する必要があります。
ローン特約を設けておけば、融資が受けられなかった場合、無条件で契約を解除することができます。
しかし、手付金の返還や違約金の支払いを回避するために、このローン特約を故意に悪用し、審査に落ちた場合は特約が認められません。
最近では、このローン特約の悪用を防ぐため、不動産会社が契約書に事前にローン審査条件を記載することが一般的です。
仲介手数料が返金できない条件
・手付解除
手付解除は、買主または売主が手付金を放棄することで契約を解除できるルールです。
他の物件に心変わりして購入を辞退する場合でも手付解除となります。
不動産会社には一切の非がないため、仲介手数料は返金されません。
手付解除はいつでも実行できるわけではありません。通常、【個人間】売買契約~物件引渡日の中間くらい、【業者売主の場合】契約の履行に着手するまでの期間が手付解除可能期日とされることが一般的です。
それ以降は違約解除とみなされ、違約解除金が発生する可能性があります。
・違約解除
例えば、売主または買主が反社会的勢力との関与がある、買主が支払いを拒否したなど、契約内容に著しく違反した場合や、手付解除の期限後に契約解除を申し出た場合が考えられます。
これらの違反に対するペナルティとして、通常は売買金額の約1割程度の違約解除金が発生します。
さらに不動産会社からの仲介手数料の返金も行われませんので注意が必要です。
不動産売買の仲介手数料の目安
不動産売買の仲介手数料は、一般的には物件金額(成約金額)の3%~5%が相場とされています。
法律で上限が定められており、この上限の不動産会社が多いため、不動産売買の仲介手数料の相場は上限額として考えると良いでしょう。
仲介手数料は上限が決まっている
不動産会社が受け取る仲介手数料は、宅地建物取引業法により上限額が決まっています。
上限額は以下の通りです。
①200万円以下
取引金額 × 5% + 消費税
② 200万円超え400万円以下
取引金額 × 4% + 消費税
③400万円超え
取引金額 × 3% + 消費税
仲介手数料の下限額は決まっていない
不動産売買の仲介手数料には宅建業法で上限額が決まっていますが、下限額は特に決まっていません。
その理由として、宅建業法は不動産のプロから一般の売主・買主を守る法律のため、買主に不利にならない部分は特に定められていないのです。
不動産会社は状況に応じて柔軟に対応し、仲介手数料は半額で良いです、今回は仲介手数料を無料にしますといった話し合いが可能です。
最近では、仲介手数料が最大無料といった内容を強調して集客する不動産会社もあります。
不動産売買の仲介手数料の費用相場
不動産売買の仲介手数料の費用相場は以下の通りです。
・ 100万円の売却価格に対する仲介手数料 55,000円(税込)
・ 200万円の売却価格に対する仲介手数料 110,000円(税込)
・ 300万円の売却価格に対する仲介手数料 154,000円(税込)
・ 400万円の売却価格に対する仲介手数料 198,000円(税込)
・ 500万円の売却価格に対する仲介手数料 231,000円(税込)
・ 600万円の売却価格に対する仲介手数料 264,000円(税込)
・ 700万円の売却価格に対する仲介手数料 297,000円(税込)
・ 800万円の売却価格に対する仲介手数料 330,000円(税込)
・ 900万円の売却価格に対する仲介手数料 363,000円(税込)
・ 1,000万円の売却価格に対する仲介手数料 396,000円(税込)
・ 2,000万円の売却価格に対する仲介手数料 726,000円(税込)
・ 3,000万円の売却価格に対する仲介手数料 1,056,000円(税込)
・ 4,000万円の売却価格に対する仲介手数料 1,386,000円(税込)
・ 5,000万円の売却価格に対する仲介手数料 1,716,000円(税込)
・ 6,000万円の売却価格に対する仲介手数料 2,046,000円(税込)
・ 7,000万円の売却価格に対する仲介手数料 2,376,000円(税込)
・ 8,000万円の売却価格に対する仲介手数料 2,706,000円(税込)
・ 9,000万円の売却価格に対する仲介手数料 3,036,000円(税込)
・ 1億円の売却価格に対する仲介手数料 3,366,000円(税込)
仲介手数料が必要な理由と必要ではない理由
自己取引と売主
自己発見取引や直接取引とは、売主である不動産会社または個人が、不動産会社を挟まずに直接取引を行うことです。
この場合、個人同士で直接交渉が行われるため、仲介手数料は発生しません。
しかし、法的な根拠に基づいた適切な売買契約書が作成されなかったり、交渉が順調でなかったりするなど、トラブルの発生が多いため、注意が必要であり、一般的には推奨されません。
代理
不動産会社が売主または買主から任されて代理権を行使して売買契約を結ぶ形態です。
不動産会社は、売主または買主の委任者から代理権を受け持ち、それに基づいて代理人となります。
例えば、入院中、療養中、高齢などの理由で契約のために出向けない場合、共有持ち分となっている不動産売買で代表者を指定する場面など、様々なケースで代理契約が行われます。
不動産会社に代理契約を頼んだ際には、それに対して仲介手数料が発生します。
仲介
媒介(仲介)は、不動産会社が売主と買主とを結びつけ、不動産売買の契約が成立するように導く行動です。
媒介(仲介)契約には、3つの契約形態が存在しています。
・専任媒介契約
契約を結び、自ら買主を見つけて契約することも可能です。
契約締結後7日以内(当日と不動産会社の休日は除く)にはレインズへの登録が義務づけられ、また、2週間に1回以上の頻度で不動産の販売状況を報告する義務があるため、非常に安心できる契約形態です。
しかし、専任契約であるため、契約した不動産会社1社の営業力に依存する点がデメリットとなります。
・専属専任媒介契約
自ら買主を見つけての契約は認められません。
その代わり、不動産の販売状況の報告義務は1週間に1回以上、レインズへの登録義務は契約締結から5日以内(当日と不動産会社の休日は除く)と厳しくなっています。
この形態では、不動産会社が積極的に販売活動を行い、こまめな進捗報告が行われるため、安心感が増します。
専任媒介契約とは異なり、自分で買主を見つけても仲介を通す必要があり、その際には仲介手数料が発生します。
・一般媒介契約
一般媒介契約は複数の不動産会社と契約が可能であり、これによりより多くの購入希望者に情報を発信し、成約率を向上させることができます。
同時に、自分で買主を見つけ契約を結ぶことも認められます。
一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」の2つの方式があり、その違いは他の会社との契約状況を明示するかどうかにあります。
通常は、信頼関係を築くためにも明示型を選ぶことが良いでしょう。
専任媒介契約や専属専任媒介契約とは異なり、一般媒介契約にはレインズへの登録義務や営業活動の報告義務がない点に注意する必要があります。
他の不動産会社が契約を結んでしまった場合、営業活動に費やした時間が無駄になる可能性があるためです。
不動産売買の仲介手数料を安くするコツ
値下げ交渉をしてみる
不動産会社に交渉して手数料を値引きしてもらう方法です。
通常、仲介手数料は物件の売却活動や契約書の作成などの仲介業務に対する報酬として支払われます。
そのため、無理な値下げ交渉はおすすめできません。
しかし以下のような理由がある場合には、不動産会社が手数料を値下げできる可能性があります。
・不動産購入時に同じ不動産会社を利用する場合
・友人や知人に紹介された不動産会社を選ぶ場合
・他社から手数料割引を約束された場合
・早期に人気のある物件を売却する場合(売却活動費用の削減が見込まれるため)
・長期間売れ残っている物件を購入する場合
・「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」を条件に減額を求める場合
しかし売主が不動産会社に対して値下げを求める際は、不動産会社のモチベーション低下につながる可能性があるため、注意が必要です。
信頼関係を損なわずに円滑な取引を進めるためにも、慎重な値下げ交渉が重要です。
もし予算の都合で減額を希望する場合は、仲介手数料ではなく物件価格の値引きを検討することが現実的でおすすめです。
仲介手数料が安いところを選ぶ
元々手数料が低い不動産会社を選ぶと良いです。
多くの不動産会社が上限の手数料を設定しているなかで、「仲介手数料半額」や「最大無料」をアピールポイントの企業も存在します。
不動産会社は主に「両手仲介」を採用しており、売主と買主が同じ会社を利用することで、一方からの手数料を割引できる方法です。
しかし「囲い込み」と呼ばれる不正手段で他社に情報を漏らさないようにする企業も存在するため、注意が必要です。
囲い込みには、デメリットもあり、買主が支払いが難しくなり物件価格の値下げをされることもあります。
そのため、デメリットを理解した上で慎重に不動産会社を選ぶことが重要です。
一部の不動産会社は「仲介手数料は取らない代わりに広告費などを請求する」といった悪質な手法を活用することもあるため、信頼できる不動産会社を検討し、契約前に注意深く確認することが重要です。
買取にする
不動産買取を選ぶと、売却相手が不動産会社であるため仲介手数料が発生しないというメリットがあります。
この方法は、古い物件や買い手が見つかりにくい物件でも迅速に現金化できるメリットがあります。
一方で、通常は多くの買主から選ばれる「不動産売却」の方が高い価格で取引される傾向があります。
買取を選ぶと売却額が低くなるため、最終的に手に入る金額が減る可能性がある点には注意が必要です。
選択する際は、状況や優先事項に合わせて検討することが重要です。
個人売買をする
個人取引を選ぶことで仲介手数料を支払わなくて済む可能性がありますが、おすすめはできません。
不動産の個人間取引には高いリスクがあります。
不動産会社を介さない場合、売主と買主が専門的な知識を持っていないまま契約を進めると、後々トラブルに発展する可能性が高まります。
個人間売買で起こりやすいトラブルの例として、不動産情報の誤りや契約書の不備、分割購入での代金未完済などです。
上記は、後々になって問題が浮上し、法的なトラブルに発展する可能性があります。
高額な不動産取引においては、法律に精通したプロがサポートすることで安心感が得られます。
専門家の助言を得ることで、トラブルを回避し円滑な取引を進めることができます。
仲介手数料のトラブルを防ぐコツ
買主
・仲介手数料を確認する
仲介手数料には上限が法律で決まっていますが、下限に関する制約は存在しないため、不動産会社によって設定金額が異なります。
媒介契約を締結する前に、仲介手数料の具体的な金額の話し合いをすることが重要です。
仲介手数料の値引き交渉は可能ですが、値引き交渉が他の買主よりも優先順位が低くなるというリスクも考えられます。
本当に購入を希望する物件に対しては、値引き交渉を行わない方が良いです。
バランスを取りつつ、納得のいく条件を提示することが大切です。
・仲介手数料の支払いのタイミングを知る
仲介手数料は通常、売買契約の際に手付金と合わせて半分の額を支払うことが一般的で、一度に支払う金額が大きくなります。
もし売買契約時に手付金と合わせて半額を支払うのが難しい場合、融資が下りて引き渡し時に一括で支払うことが可能かどうか、媒介契約締結時に確認しておくと良いでしょう。
・瑕疵を確認する
瑕疵とは、物件の欠陥や不良を指し、2020年4月の民法改正により「契約不適合責任」が導入され、契約に適合しない場合の様々な対応が可能になりました。
宅建業法改正では、既存住宅のインスペクションが導入され、買主が劣化や修繕が必要な箇所などを客観的に把握できるようになりました。
費用は数万円程度で、売買契約前に実施し、売主に許可をとりましょう。
売主
・レインズの登録状況を確認する
レインズ(REINS)は、「Real Estate Information Network System」の略で、不動産会社が使用する「不動産流通標準情報システム」です。
このシステムを通じて、全国の不動産情報を横断検索し、買主は希望する物件を円滑に見つけることができ、売主は多くの買主に伝わり、迅速に売却手続きを進めることができます。
不動産売買では、売主と買主が同じ不動産会社に仲介を依頼する場合があり、これを「両手仲介」と呼びます。
一部の不動産会社は、両手仲介を目的に、売主からの依頼物件をレインズに登録せず「囲い込み」と呼ばれる悪質な行為を行うことがあります。
専属専任媒介契約や専任媒介契約の場合、レインズへの登録が法的義務とされており、登録証明書の発行が行われます。
契約後、証明書を確認して、正しく登録されているかどうかを確認しましょう。
・契約解除の項目を確認する
不動産売買契約の解除に関する主な項目は以下の通りです。
①手付解除
②契約違反による解除
③引き渡し前の滅失・毀損の場合の解除
④融資利用の特約による解除
⑤契約不適合責任による解除
⑥反社会的勢力排除条項に基づく解除
⑦(借地権付の場合) 借地権譲渡について土地賃貸人の承諾を得ることを条件とする契約条項に基づく解除
⑧買い替え特約による停止条件による解除
上記の項目について、契約締結前に詳細を確認し、条件や解除の要件を理解することが重要です。
違法な行為をしている不動産会社に注意が必要
不動産会社の中には法外な仲介手数料を請求する事もあります。
優良な不動産会社は法で定められた上限額を守り、その範囲内で仲介手数料を決定します。
しかし、たまに上限を越えた請求、法的な上限を売主が絶対に支払うべきだと誤解させる事もあります。
不動産会社を選ぶ際には、違法性や不当性がないか十分に確認することが重要です。
まとめ
今回は、不動産売買の仲介手数料の相場などについて詳しく紹介しました。
不動産売買の仲介手数料の相場について知りたかった方は参考になる内容が多かったのではないでしょうか。
紹介した内容を参考にして不動産売買の仲介手数料の相場とは?に関する知識を深めて下さい。
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